アレルギー対応食プロダクト研究室

特定アレルゲン不使用 だし・コンソメ徹底ガイド:安全な選び方と活用術

Tags: アレルギー対応, だし, コンソメ, 食品選び, 特定アレルゲン

特定アレルゲンに配慮しただし・コンソメ選びの重要性

日々の食事作りにおいて、だしやコンソメは料理の味の決め手となる重要な調味料です。しかし、これら市販の製品には、様々なアレルゲン(特定原材料や特定原材料に準ずるもの)が含まれている可能性があります。例えば、風味原料として使用される魚介類(えび、かになど)、つなぎや増粘剤としての小麦、乳製品、卵、また製造工程でのコンタミネーションのリスクなど、注意すべき点は少なくありません。

アレルギーを持つ方が安心して食事を楽しむためには、使用するだしやコンソメの原材料表示を正確に確認し、特定アレルゲンが含まれていない、または配慮がなされた製品を選ぶことが非常に重要です。最近では、主要なアレルゲンを使用しない、あるいは製造ラインに配慮した製品も増えてきており、選択肢は広がっています。

このガイドでは、特定アレルゲンに配慮した市販のだし・コンソメを選ぶ際のポイントと、製品の種類、活用術について詳しく解説します。

安全なだし・コンソメを選ぶためのポイント

アレルギー対応のだし・コンソメを選ぶ際に、最も基本となるのは製品の表示確認です。以下の点に特に注意して製品を選んでください。

1. 特定原材料等28品目の表示確認

食品表示法に基づき表示が義務付けられている特定原材料7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生)と、表示が推奨されている特定原材料に準ずるもの21品目(アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン)が原材料として含まれていないか、またはこれらを代替する原材料が使用されていないかを慎重に確認します。

多くの市販だし・コンソメ製品では、風味原料として魚介類エキスやチキンエキス、野菜エキスなどが使用されますが、これらに由来するアレルゲンが含まれる場合があります。例えば、かつおだしにさばが含まれていたり、コンソメに牛肉や鶏肉が含まれていたりすることがあります。原材料名の欄を隅々まで確認することが不可欠です。

2. コンタミネーション(製造過程でのアレルゲン混入)に関する表示確認

原材料として特定アレルゲンが使用されていなくても、同一工場内でアレルゲンを含む他の製品を製造している場合、微量のアレルゲンが混入する「コンタミネーション」のリスクが考えられます。

食品表示基準においては、コンタミネーションの注意喚起表示は義務ではありませんが、製造者が必要と判断した場合に任意で表示されます。「本品製造工場では、〇〇(アレルゲン名)を含む製品を生産しています」や「本品は、〇〇(アレルゲン名)を含む製品と共通の設備で製造しています」といった表示がないか確認してください。この表示がある場合の製品を選択するかどうかは、個々のアレルギーの重症度や医師の指示に従って判断する必要があります。

3. 製品のコンセプトや訴求点を確認

アレルギー対応を意識した製品の中には、「特定原材料7品目不使用」「卵・乳・小麦不使用」など、特定の不使用アレルゲンをパッケージに大きく表示しているものがあります。これらの製品は、アレルギー対応を明確に意識して製造されている場合が多く、選択肢の一つとなります。ただし、表示されているアレルゲン以外のものについては、必ず原材料表示で確認が必要です。

また、アレルギーに直接関連しないものの、「化学調味料無添加」「食塩不使用」といった表示も、小さなお子様や健康に配慮する方にとっては重要な選択基準となる場合があります。

特定アレルゲン不使用のだし・コンソメの種類と特徴

市販のだし・コンソメには様々な種類があり、それぞれ風味や使い勝手が異なります。特定アレルゲンに配慮された製品の中から、代表的なタイプをご紹介します。

1. 和風だし

かつお、こんぶ、しいたけ、あご(トビウオ)などを原料としたものが一般的です。特定アレルゲンに配慮した製品では、例えばさば不使用のかつおだしや、特定のアレルゲンフリーの醤油やエキスで味付けされたものなどがあります。植物性原料(こんぶやしいたけ)のみを使用しただしは、比較的アレルゲンのリスクが低い場合が多いですが、製造ラインの確認は重要です。 * 形状例: 顆粒タイプ、液体タイプ、だしパック

2. 洋風コンソメ

牛肉や鶏肉、野菜などを煮込んで旨味を抽出したものが基本です。アレルギー対応製品としては、チキンやビーフ由来のエキスを使用せず、玉ねぎ、人参、セロリなどの野菜の旨味を最大限に引き出した「野菜ブイヨン」「野菜コンソメ」が多く展開されています。これらの中にも、醤油(大豆・小麦)や乳成分、ゼラチンなどが含まれていないか確認が必要です。 * 形状例: 顆粒タイプ、固形キューブタイプ、液体タイプ

3. 中華だし

鶏ガラや豚骨、香味野菜などをベースにしたものです。アレルギー対応製品では、和風だしや洋風コンソメと同様に、動物性エキス不使用の野菜ベースのものや、特定アレルゲンに配慮して作られた製品があります。ごま油や特定のアミノ酸などが含まれる場合があるため、原材料表示の確認は欠かせません。 * 形状例: 顆粒タイプ、ペーストタイプ

これらのカテゴリ内で、特定のアレルゲン(例えば、小麦、乳、卵、えび、かに、そば、落花生など)を使用していないことを明記している製品を探すことが第一歩となります。製品パッケージの表示や、メーカーの公式サイトで公開されているアレルギー情報を参照することが推奨されます。

アレルギー対応だし・コンソメの活用術

特定アレルゲンに配慮されただし・コンソメは、様々な料理に手軽に利用できます。

忙しい日でも、安全なだしやコンソメがあれば、手軽に美味しいアレルギー対応食を作ることができます。製品ごとの推奨レシピや活用法も参考にしながら、様々な料理に取り入れてみてください。

注意点とまとめ

特定アレルゲンに配慮されただし・コンソメを選ぶ際は、常に最新の製品パッケージの表示を確認することを習慣にしてください。食品の原材料や製造ラインは変更される可能性があります。また、アレルギーの症状は個人によって大きく異なるため、製品の選択に迷う場合や、コンタミネーション表示のある製品の使用については、必ず医師や管理栄養士などの専門家にご相談ください。

安全な市販のだし・コンソメを上手に活用することで、アレルギー対応の食生活における料理の手間を減らし、献立のバリエーションを増やすことが可能です。ご自身の状況や必要に応じて、最適な製品を見つける手助けになれば幸いです。